猫とワタシ

Wandering Note

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この記事のみを表示する第20回文学フリマ東京感想祭り☆その3

文芸イベント関連

あれよあれよと言う間に、梅雨真っ只中という季節に突入してしまいましたが、
みなさんいかがお過ごしでしょうか…!?
例年よりゆっくりペースで進んでおります感想祭り、今回は2つのサークルさまの
短編作品についての感想をお送りしようと思います。

あと何回かはゆるゆると続くと思いますので、気長にお付き合いくだされば嬉しいです♪♪


追記: 感想関連の記事に拍手ぱちぱちありがとうございます~~(*´∀`*)ノ



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こんぽた。
世津路章さま

文フリではお世話になりました~!
参加したアンソロ関係で、少しお話させていただいたりしていたので、実際にお会いできて
嬉しかったです^^
美味しい差し入れもありがとうございました;; あれめっさ美味しかったです…
…とかいう私信も挟みつつ、頂いたり買ったりした本の感想を以下に投下します♪


『あの絵と同棲するPさんの弁明』

読みやすい語り口で、馴染みのある現実から、非日常の要素がすっと入ってくる面白い
展開の物語でした。主人公は日常に消耗しきっているような感じですが、今時の若者って、
これくらい殺伐とした日常を生きてるものなんでしょうか…!
き、きびしいっす…><
彼女さんとの距離や、表と裏の顔を使い分ける感じとか、そういう誰もが多少は持っている
日常の世知辛さを活かした展開から、主人公を待ち受ける結末に、現実の厳しさを思い知らされる
感じです。
この作品、非日常的なお話ではあるんですが、物語が言わんとしているところは、地に足が
着いていると言えるんじゃないでしょうか。
だから違和感なくすとんと納得できて、怖い結末であるはずなのに、どこか胸がすくような気分に
なるんだと思います。


『STAGE 0 -人並みの人間として過ごした2年間-』

二次創作、ということで、私は元ネタの作品は知らないのですが、面白く読ませていただきました。
この元ネタ作品の設定がすごく凝ってて複雑そうであるのと、キャラクターのもつ性格や、
お話のノリがキラキラの王道少年漫画というかんじで(少女漫画と違う種類のキラキラが
少年漫画には存在すると思います!)長らく少年漫画を読んでいなかった私はすごく懐かしい
気分になりました。
友情とか、自分の運命と戦うとか、古典的なんですが、やっぱりいつの時代に読んでもいいもの
ですよね~!
あと、舞台が熊本の阿蘇設定だったので個人的にすごく嬉しかったです(笑)熊本育ちなので。

あっ、そういえば、表紙のイラストはもしかしてご自身で描かれたものなんでしょうか? 
無料誌なのにデザインがすごく凝っていたので、すごいな~!って思いました。



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百福堂
笹山笑さま

イベントレポにも登場した、笹山さんの本を今回は2冊購入しました!
新刊と、某ガイドブックに載った作品(『鳥』のほう)です。
どちらも不思議要素は入ってますが、テイストが違っていて楽しませてもらいました!

『鳥~幸福の金糸雀~』

パワハラ上司のせいで会社に行けなくなった男性と、奥さんのお話。
こういう上司や、会社を辞めた社員を実際に見たことがあるので、すごく身近に感じました。
だから、お話の中でだけでも明るい展開を見せてくれて、なんだか嬉しかったです。
登場人物たちがすごく可愛いカップルでした。主人公のお兄さんはひどい目に遭ってる割に
どこか客観的にものを見てる感じがして読みやすかったし、辛い状況のパートナーを見守る
奥さんの鷹揚な雰囲気とか、二人のラブラブな様子とかも、すごくいいなぁと思いました。
こんな時代が、もしかしたら、かつて…あったかも…しれない……(遠い目)ってなりました(笑)
鳥って可愛いし、賢くて、人にはうかがい知れない何かを持っていそうですよね。
特に、黄色は人を元気にさせてくれます^^
今回の表紙のレモンイエローの色味が、作品にぴったりのきれいな色でした!
これからの二人の暮らしがますますハッピーになりそうな、嬉しい予感がいっぱいの
ラストも素敵でした。


『動く~萬華鏡奇談~』

今回の新刊です。妖怪のような、妖精のような奇妙な万華鏡の精に翻弄される主人公の
ファンタジックなお話。
台詞が面白いです。妙なところで胃もたれを訴えるもふもふな妖精とか(笑)
こちらの物語は『鳥』と違って完全ファンタジーな世界が舞台です。私が参加した空想のまち
アンソロに混じってても違和感のなさそうな雰囲気のお話だな~と思いました。

基本、ほのぼのした雰囲気のゆるふわな話で、最後のところとか、感動ものに持っていこうと
すればできるような感じなんですが、やっぱりどこかゆるっと笑える要素が入りつつ着地して
いるところが笹山さんらしくて好きです。
その人が一番見たいものが見える「万華鏡」。だから、そこに映るものは人によって違う。
みんながそれぞれ幸せになれればいいな、っていう気持ちがじんわり伝わってきて、
嬉しくなるような作品でした。

あっ、後書きのところに書かれていた『どうして こんなに きれいでしょうか。 ふしぎですね。』って
一文についての話にすごく共感しました(笑) わかる…昭和のカタコト、あったか怖いですよね^^;

この記事のみを表示する第20回文学フリマ東京感想祭り☆その2

文芸イベント関連

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しばらく時間が空いてしまいましたが!!
ゆるゆると、文フリで買った本も読み進めています。
とりあえず、初めて読む作家さんがたの本を優先して、感想を
書き進めてみますね~。
ってわけで、今日は天使アンソロについての感想をお届けします♪

※過去の感想関連の記事に、拍手ありがとうございました(*´∀`*)ノ

*******

el.

Wilhelminaさま+冬青さま

「天使」をテーマとしたアンソロジー本ということで。
シンプルな白い表紙も素敵です。
掲載作品のすべてがまったく違うテイストで、しかもどれも精緻な
世界観の作品ばかりで、楽しませていただきました~!

以下、作品ごとの感想です♪



ガブリエル 犬塚暁さま

義体技師と、それを使う人たちの物語。
SFってどこからそう定義するのか分からないのですが、そう呼んでいい
お話なのかな?
義体が医療その他で使われる社会、ってことで、その細やかで詳細な設定と、
それに付随する人々のさまざまな性向(義体マニアだったり、義体を受け入れられ
なかったり、義体によって生まれながらに不自由だった体から開放されたり)が
うまくリンクして物語が流れていくところがすごく気持ちよかったです。
天使の義体…実際目にしたらどんな気分なんでしょうね~。 
見てみたいような、確かにちょっと怖いような気がします。



レニングラード(1988) あずみさま

88年のロシア(というかソ連)舞台の物語。社会に迎合できなかった人の悲哀とか、
芸術に対する純粋でまっすぐな思いとか、美しいものに対する憧れとか、情熱とか。
色んなものがいっぱい詰まった作品でした。
恋愛要素はありませんが、そういうものがなくても、たとえまったく見ず知らずの老人と
子供でも、芸術という同じフィールドに立てば、心を通わせることができる。それは人生で
起こりうる最も素敵なことのひとつかもしれません。
安定のあずみさんクオリティで美しい作品でした。当時のソ連の社会情勢ってこんなだったの
かなぁ…と、恐ろしさを感じつつ、その雰囲気を楽しみつつ、読ませていただきました。


羽 柳川麻衣さま

ビジュアル系バンドと天使。組み合わせ的にすごくマッチしますね~!
設定が色々と深そうなんですが、私に読みきれてない部分があるかも…
その辺のあまり表に出てこない関係性のほうも、突っ込んだら、色んなアプローチが
出来そうですね。
天使(のような超越的存在)の歌と人間の歌、というのは、過去に私もテーマとして
書いたことがあったので、その辺りの話はすごく興味深かったです。
天使は、一番会いたい人の姿として現れるのか、その逆なのか。
その二つは実は一つのような気もしてきて、そこが切ないような、でも最後は美しく、
赦されたように感じて、心洗われるような気持ちになりました。


ハロー、ニュー・ワールド 穂先円さま

とにかく設定がすごいなぁと思いました。私はゲームやプログラミングの世界については
まったく無知なので、こういう世界を理解するのがちょっと難しいところもありましたし、
一見すごく奇想天外な話のようにも見えるのですが、同時に、これに近いような世界って、
近い将来案外なきにしもあらずなの…かも?というリアリティも感じました。
思わず、アニメ化してほしいな~と思いました。キャラクターのビジュアルや、戦闘シーンの
雰囲気など、視覚的に見てみたいです。人気出るんじゃないかな、こういう話。


******

そんなわけで、どの作品も、発想が面白く、よく練られた世界設定がすばらしかったです。
こういう背景が緻密な作品は、同じ舞台を使った違うお話も読んでみたいな~と思わせて
くれるところが好きです。
文章的にも、美しく気持ちのいい作品ばかりで、買って損なしのお勧め本だと思います♪♪