猫とワタシ

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創作文芸サークル『a piacere』の活動状況など

この記事のみを表示する第20回文学フリマ東京感想祭り☆その5

文芸イベント関連


文フリ東京の感想祭り、ようやく最終回になりました…!!
前回更新からすごく時間が空いてしまったのは、自分の新刊の製作と重なったせいです。
次回新刊の主人公が、+Lanternの畳さんの作品に出てくる柊平くんと同年齢の男子のため、
畳さんの作品を読んでいると、元々大好きだった柊平くんのキャラに引きずられそうになったり、
製作中の自分の作品世界が脳内でヘンに被ってきたりして、なかなか読むのが難しくて…。。
これは先に自分の新刊を一段落させてから読むしかないな…と思ったのでした…^^;
おかげさまでほぼ新刊の内容が固まってきたので、ようやく感想を上げられる運びとなりました(^v^)


lantern2015.jpg

+Lanternさま

『Hello』

2010年5月刊の作品です。
思い起こせば、この回の文学フリマが、私にとってイベント初参加だったのでした…。
東京に行く予定満々だったのに、体調激悪化のため断念した悲しい思い出が再び…;;
今になって、この10年春に発行の+Lanternさまの作品を手に取ることになるとは。
なんだか色々感慨深いです。


濱野一九さま
『虹追い七日間』

濱野さまの作品を読むのはこれが初めてです。
未来の話なのかな?と思ったのですが、違うかな…?
世界が小さくなって、また大きくなって…、色んな大変なことが起こったんだなぁと
いうことが言葉の端々に暗に示されていて、作品の舞台になっている森が持つ、
つかの間の平和と静けさが胸に迫ります。
森の深いところにある「ナニカ」、そこを訪れる「虹を待つ人」と、主人公の
小鹿ちゃんの出会い。すべてが暗示的であり、この先に訪れる嵐の予感を感じさせます。
この本のテーマである「Hello」の使い方が、なんとも言えず好きでした。
何度か読むとより味わいの増す物語だと思います。
静謐な文体が物語の雰囲気にぴったりで、美しい作品でした。



遊佐はなえさま
『彼女の好きな歌』

一つの恋のはじめから終わりまでのお話が、とても繊細に描かれている作品でした。
男性が主人公のお話って、遊佐さんのお話の中で読んだことあったかな…?
ちょっと「変わった」女の人、彩子さんと、比較的普通?な主人公の男性。
このお話は「変わった」「人と違う」ってところがキーワードのような気がします。
それを素敵な個性と捉えるのか、生き辛さと捉えるのかは紙一重で、だけどいつも
遊佐さんの作品の中では「変わった」は、大いなる魅力として捉えられているように
思えます。
「変わった」自分を肯定していたい、でも、人との関係の中で、時々それができなく
なってしまう。その人のことを好きだったら、なおさら。
そういう気持ちと感情の齟齬が生み出す人間関係の機微が、みずみずしい筆致で書かれていて、
とても素晴らしかったです。


多々畳さま
『おもかげ』

畳さんの柊平くんシリーズ(呼び名が分からないので勝手に命名)を毎回楽しみに
しているのですが、今回のは一大巨編(?)だったような気がします…!
普段は同じマンションに住んでいる「おばさん」など、年上の人との絡みが多い気が
するのですが、今回はガチのお友達関係が描かれていて、なんかもう、すごく切なかったです><
このシリーズを読み始めた頃から随分月日が経ち、気がつけば、我が家に住む小学生も柊平くんと
同じような年齢に近づきつつあるわけですが、普段私がリアルに接する小学生たちのやりとりを
見るにつけ、畳さんが描く柊平くんと、彼をめぐる子供たちのリアルな人間関係に脱帽する
ばかりです。いやはや、本当に素晴らしい眼力をしていらっしゃるなーと。
お子様関係のお仕事をされていない限り、こういうのって書けないんじゃないの!?と思って
しまうほどです。
柊平くんは小学5年生という設定ですが、5年生というのは思春期への入り口、複雑な世界に
一歩踏み出した、戸惑いの季節、でもあるように思います。
そういう微妙な年代の子供たちの気持ちが、さりげない台詞や仕草の中に丁寧に描かれていて
ほんとに胸熱でした;;
今回は同世代との関係が主軸だったせいか、いつもの柊平くんよりも頼もしく見えて、
ますます彼のファンになっちゃいました~(笑)


********


『スカート』

2015年春の新刊になってます。表紙の手触りがすごく好き。毎度のことですがイラストも素敵です。


多々畳さま
『なぞかけ』

バレンタインネタです!!!
今回は女子がたくさん出てきたので、すごく新鮮でした。本多さん、可愛くて姫キャラだから
いぢわるフラグ立つかな~とドキドキしましたが、そういう子じゃなくて良かった(笑)
里中さんのキャラも良かったです。女子のほうが大人に書かれているところがすごくリアル。
この対極っぽい女子二人が学校と外とで違う顔を見せるところが良かったです。
そういうのってありますよね。学校での顔、家での顔。
里中さんの「省エネ」論。個人的にめっちゃ共感しました。私もそういう無駄なエネルギーを
使いたくない子供だったので(笑)
今回「なぞかけ」というタイトルですが、このチョコレート誰がくれたの?という謎を残しつつ、
多分この子…かな…?っていう推測も出来るように終わってるところが粋で素敵です。
そして何より、何も気づいていない柊平くんの困惑ぶりがかわいすぎて萌え死にそうですww
…って、さいごまで気持ち悪いおばさんでごめんなさい^^;
でもかわいいんだもの仕方ないじゃない…っ!!


遊佐はなえさま
『ワンダフル・アンノウン』

畳さんが子供の心の機微を書く名手なら、遊佐さんは女子の恋心を描く名手だなぁと思います。
今回の恋のお相手は、ハーレムアニメが好きな上司…!!!なんか手ごわすぎやしませんか(笑)
貝殻荘に住む女性が主人公ということで、色々懐かしかったです。
以前、一番最初に手に取った+Lanternさんの作品に載っていた遊佐さんのお話が、貝殻荘の管理人さんの
物語だったので。そのときの主要人物が今回登場していたところも嬉しかったです。
最後の辺りで、同じ貝殻荘に住む桜さんという人が、ハーレムアニメについて熱く語るシーンがすごく
勉強(笑)になりました。ああそうなのか!なるほど~!と、主人公と一緒に開眼させられた気分ですw
ラストがすごく好きでした。終わっていく恋の話も好きだけど、やっぱりこれから新しい何かが始まる
予感を感じるお話には、すごくときめきますし、心が明るくなります。
花束やお洋服の描写など、洗練された素敵女子の成分が随所にちりばめられた、華やかで素敵なお話でした!




kinoko.jpg

堀博美きのこサークルさま

こちらは、感想というか、覚書みたいになっちゃうんですが。
きのこびと(?)の堀博美さんが、東京でもブースを出していらっしゃったので、お伺いしてきました!
きのこ自体にももちろん興味はあるんですが、どちらかといえば最近は、堀さんがきのこについて熱く語る
その情熱が好きで、堀さん自体のファンになったというか、ついお話を伺いにお会いしに行きたくなる、
みたいになってます^^;
今回、「SOMA TIMES」という、キノコに関する専門情報誌と、「国語辞典のきのこ」という冊子を入手しました。
「SOMA TIMES」には、マジックマッシュルームをはじめ、きのこにまつわるさまざまな事件が掲載されているの
ですが、結構びっくりする事件があるんだなぁと…。その辺に生えているものを適当に取って食べちゃダメ絶対!
っていうのがよく分かります^^;
「国語辞典のきのこ」は、大小さまざまな国語辞典の中で「きのこ」という言葉がどのように説明されて
あるのか、というのを列記しているという、面白い内容になっています。
こういう機会でもなければ、一つの単語の説明がさまざまな国語辞典によってどのように説明されているのか、
比べてみることなどないと思います…実際、辞書によってかなり内容が違っていてびっくりしました。
「きのこ」って簡単に言ってますが、実は専門性の高い、難しい言葉なんですね。
ひとつひとつの説明文に対する堀さんの批評&評価がやんわりとしつつも厳しくて、その辺のこだわりがすごく
面白かったです。
きのこ好きな人にも、そうでない人にも、すごくお勧めな冊子です♪
また文フリ大阪にも出る予定です、とおっしゃっていたので、もし参加されていらしたら、お会いしに行こうと
思います。


*******


…と、いうわけで!
めちゃめちゃ長くなっちゃいましたが^^;
今回で、文フリ東京の感想祭りはおしまいです。
長い間、お付き合いくださりありがとうございます!!
また次回は文フリ大阪かな…。。。なるべく開催できるよう、がんばりたいと思います^^



この記事のみを表示する筆名のはなし

文芸イベント関連

blog-raito.gif
↑文フリ大阪新刊表紙イラストの一部です。 裏表紙にいる予定の人。


ただいま、感想祭りの最中ですが…。
諸般の事情で、更新がストップしてます><
最終回は、+Lanternさんの作品と、小説以外のジャンルからご紹介する
サークルさんについて書く予定になってます……が、ふがいない私の事情により
(詳細は更新時にお伝えします^^;)
自分の新刊の内容が落ち着いてからの更新になると思います。
ほんとは早く読んで書きたいんですが、申し訳ないです。。。


その新刊ですが。
5月の東京遠征時に出したフリーペーパーの中で予告した本が多分…多分…出せそうです。
製本を印刷所さんに発注するのは始めてなので、今からドキドキしています。
果たしてちゃんと仕上がるのかまだまだ不安しかないですが><
今のところA6版にするつもりです。 きちんと詳細が分かり次第、またご報告します。
ああ…大丈夫かな…心配だ…。。ちゃんと出来ますように…!

******

そして、ここからが今日のメインのお話です。

これまで、イベントで本を出すときやweb上では「まりも」という名前を使ってきたのですが、
このたびツイッター上の文芸畑の方で、同じ「まりも」さんという方を発見したので、
名字を付け足しておいたほうが混乱しないかな、と思い立ちました。
西日本在住のため、ツイッターでは「西のまりも」、筆名では「西乃まりも」に
してみましたw 安直ですみませんww 
ツイッター上では、名字っぽくないけど個人を識別できるもの、筆名としてはより名字っぽいものに
したかったのでこうしています。紛らわしかったらすみません^^;
これまでお世話になっている皆様には、これまで通り「まりも」と呼んでいただけると嬉しいです。

あっ、サークル誌に関しては従来通り「まりも」でいくかもしれません。なのりさんと合わせたいので。
「まりも」と「なのり」って平仮名三文字でゴロがよくて気に入ってます…コンビ漫才ぽい感じ(?)でw 
ただし、なのりさんが名字付きの名前に変更される場合があれば、その限りではないです。
(確かなのりさんって、正式な筆名をお持ちだった記憶があります…)

そんなわけで、次回新刊には「西乃まりも」と書いてあると思います。
誰だよそれ…とならないよう、一応ブログのほうでもご報告をさせていただいたきました^^;

そんなわけで! 新刊作業その他、これからがんばります><
今後とも、どうぞよろしくお願いします。







この記事のみを表示する第20回文学フリマ東京感想祭り☆その4

文芸イベント関連

まだまだ梅雨真っ只中ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか…!
前回から随分日が空いてしまいましたが、感想祭りの続きをアップさせていただきます!
今回は、柳屋文芸堂さまの小説と、風見鳩さまの詩集3冊についてお送りします^^

niseokama.jpg

柳屋文芸堂さま

柳田のりこさま著 『贋オカマと他人の恋愛』

作者の柳田さんから直々に「理系美少年と村上春樹オタクと伝統芸能オタクの男子がイチャイチャ
する話です」という事前情報を頂いていたので、コメディなんかな、と思っていたのですが、
全然コメディじゃなかった(笑)
というか、会話は基本、面白いんですが。コメディじゃないよこれ…!
男性同士の大学生の恋愛話から始まり、卒業後も30台前半ぐらいまで続く物語なのですが、
作中繰り広げられる恋の顛末が…とにかく愛が重くて! 
でも、よく考えてみたら、過去に読んだ柳田さんの作品って、恋愛については全部そういう「重さ」
を感じたような気もするので、きっと作者さまの持ち味なのかな、と思います。
BLという形を取ってますが、どっちかといえば、社会の中に自分の居場所が持てない人の
不安とか、悲しみとか、そういうものをゲイというマイノリティを通して伝えている作品、のように
見えました。女性のお医者さんが途中で出てきますが、その人も同じタイプの人に見えましたし。
この作品に出てくる人々ってみんな、自分の個性を周囲に認めてもらえないコンプレックスに悩み
傷つきつつも、それに負けずに自らの目を通して世の中を見て、自分らしく生きようともがいている
人たちのような気がします。(時々、主人公のお母様のようなはっちゃけ系の人も出てくるけど。
この人は自分の目で世の中を見つつも、マインドが明るい。 いいな~没落貴族 笑)
内容的に明るい恋愛ではなく、辛く重たくはあるんですが、そこに理性的な主人公による鮮やかな
突っ込みが合いの手のように入ることで、どん底に陥ることなく、楽しめる内容になっています。
その辺りのバランス感覚は、他作品でも見られる柳田さん作品の醍醐味だと思います。
あと、以前に読んだ作品とリンクしていたので、そういう点も楽しかったです。前に見たキャラクターに
また会えた、みたいな感覚が好きなので、嬉しくなります。

感情の「重さ」って、年を取れば取るほどつい敬遠したくなってくるのですが、大事な感性ですよね。
私はそういうものを書けない程度には汚れきった大人になってしまったので、柳田さんには是非こういう
作品を書き続けることのできる、みずみずしい感性を保ち続けて欲しいなって(無責任にも…笑)思って
しまいました。
あと、ボリューム的に長く、しかも綺麗に製本された本だったので、無料にしちゃいかんと思いました。
次からはお金取ってください!>< ほんとに!!><



miyakoba.jpg

風見鳩さま

宮本小鳩さんの詩集3冊をゲットしました!
それぞれ個性があって、どれもすごく好きな作品集でした^^

『こばとうた』

息子がすごくお気に入りの詩集です。過去に『鳥専用列車』という豆本を買ったことがあって、
息子に読んであげたことがあるのですが、そっちもすごく気に入っていました。
読むとほっとするらしいです(笑) 確かに、なんというか…ほっこりと、温かい気持ちになります。
この詩集は3つのパートに分かれていますが、どの部分もそれぞれにいい味出ています!
鳩はいつでも人のそばに何気なくいて、存在をことさらに主張するような生き物ではないのですが、
そこに「いる」っていうこと自体が、日々平穏に続く日常の象徴、みたいなところがありますね。
そういう温かいものを、的確な言葉で表現された詩集だと思います。


『自由連想往復詩』

二人の詩人さんが、交互に、お互いの詩からインスピレーションを得て書いた往復詩集です。
面白いです。何となくの印象ですが、後半に行くにしたがって白熱した雰囲気になってるところもいい(笑)
すごく好きな言葉がいっぱいあります。個別に読むだけでなく、往復詩として読むと味わいが深まる
言葉があります。私はこういう風に言葉を使えません。すごいなぁ本当に!!


『ピース』

この詩集にも好きな詩がいっぱい載っていますが、最初に載っている『パズル』という詩が特に大好きです。
(この詩、ずっと前に、無料配布のペーパーで読んだような気がして仕方がないんですが、気のせいかな…)
手作りの装丁も素敵だなと思っていたので、前から欲しかったのです。手にとってみたら、中に使われている
紙もすごく綺麗でした。今回手に入って嬉しいです!!
後半に載っていた『詩と私』というエッセイも、すごくよかったです。短い詩は、あっという間のわずかな
瞬間において、いかに相手の心を射止めることができるか。きっとすごく難しいことですよね…!
私は普段、詩はほとんど読みませんが、小鳩さんの詩は文フリに参加し始めて以来、ずっと大好きです。
少なくとも、私の心は確実に射止められているので、小鳩さんの目指すところは確実に実行されていますよ!
と、ここに宣言しておきます^^