猫とワタシ

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創作文芸サークル『a piacere』の活動状況など

この記事のみを表示する2017年上半期同人誌感想祭り☆その2

同人誌感想

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同人誌感想第二弾です~!!!
前回の感想より壊れ気味の内容が多い… です… (すみません 汗)


ではでは早速どうぞ!!!


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桂瀬衣緒さま 『城ノ内探偵事務所-Mission-』

殴りたくなる男がますます殴りたくなる展開で、そろそろいい加減本気で
殴りたいです(←重症)なんなの、きみたちなんでそんなにそんななん
!!?????ンモー、もだもだするやーん!!! ってなるんですが。
考えてみたら、このままのほうがこの二人は(そして読者もw)幸せでいら
れるのかもしれん、という境地に達してきましたので、このままお互いずっと
もだもだしておればいいのかもしれないです。
関係性に悶えたい貴方に全力でお勧めしたい一冊です。
チクショー!! お幸せにっ!!!!!!!


孤伏澤つたゐさま 『ゆめのむすめ』

「娘」「男」「獏」、それぞれの言葉を通して、それぞれが「夜」と「夢」に繋がって、
ひとつの流れを作ってゆく、不思議なお話でした。この「分かんない」んだけど
「分かる」感じ。できそこないの脳みそなので、ちゃんと説明できないんですが…
なんだこれーーー!!! すごい。すごいです。
作品の舞台について多くは語られないんですが、ずらりと並んだ扉、ミニマムな
雰囲気の漂う室内、茶葉の並んだキッチン、寝室、獏の入ったガラスケースのある
飼育部屋…などなど、出てくるのは不思議な空間ばかり。
どこかシュルレアリスムの絵のような。寂しくて均整の取れた美しい場所に放り込ま
れたような、不安と心地よさが一体となった気分に浸れます。
この不思議な世界、是非体験して欲しい。 すばらしい作品です。
貴重な読書体験をありがとうございました!


キダサユリさま 『プエラの肖像』

表紙のインパクトがすごいです…! 思春期に差し掛かった女の子たちの
微妙な心理を描いた物語集。美しく端正な言葉と絵、そして作品に含まれる
残酷な毒のコントラストにぐっさりとやられます。キダさんの作品は他にも
色々読んでいるのですが、どれも最高に最高です。ごめんなさい、具体的に
「こういうところがいいんです!」などとはどうにも書きづらくて。でもそういう
言葉にできないものこそが、キダさんの作品の真骨頂のような気がします。
しばらくお休みされるとのことですので、入手困難になるかもしれませんが、
手にする機会があれば、是非読んでみてください。
絵とストーリーの親和性にぐいぐいとひきつけられること請け合いです!


堺屋皆人さま 『江戸川悠の考察教室』

いまだ一巻しか読めていなくてすみません><
(二巻目は予習が必要、そして学外も持ってるんですが、二巻読了後に読むのが
推奨らしいので…まずは青空文庫からのスタートです…!)
 『羅生門』は確か中学生の頃の教科書に載っていて、授業も面白かったので好きな
作品でした。だけど、ここに書かれているのは、作者・芥川龍之介に関する様々な資料や
情報を頭において羅生門を読み解いていく、という試みでして、これがまた新鮮で面白かった
です。私も特定の好きな作家さんなどがいたら、その人自身に興味が湧くタイプなもので、
こういう切り口から作品を見ていくというのは面白く、好奇心がフルに満たされる思いです。
私は文学については門外漢なんですが、大学の文学の講義って一般的にこんな感じなの
でしょうか…?それとも、ハルちゃん先生の講義はかなり特殊だと思ったほうがいいのかな。
こんなことなら学生時代に文学の講義もちょっとぐらい取っておくべきだったなーと思ったり
しています。このシリーズ、他の本もすごく面白そうなので、読むのがとても楽しみですー!!



森村直也さま『普通の矜持』

デザインチャイルドというSF要素は入っているけれど、リアルに存在する社会問題なども
扱われていて、クールな筆致でありながら、熱いものがいっぱい詰まった森村さんワールドが
満載な内容です。自然環境の厳しい乾いた異国の雰囲気も、旅行してるみたいで楽しい!
色々と考えさせられることはもちろんですが、キャラクターも魅力的です。ローレックすき…
(お世話されたい 笑) シーマ、文句なしにかわいい!! グリントたん……貴方の洋画に
出てきそうな技術屋おやじっぽいとこ、嫌いじゃないよ…笑
ぎゅっと色んなものが濃縮された一冊です。森村さんの作品を最初に読まれる方にも
おすすめの作品ですー!!

この記事のみを表示する2017年上半期同人誌感想祭り☆その1

同人誌感想

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6月も半ばにさしかかりました。
早くも上半期終了が近いです…(怖い…!!(((;∀;))))
梅雨らしくない、からっとしたお天気が続いていますが、みなさまいかが
お過ごしでしょうか。

昨年秋~今年春にかけて購入した同人誌の感想をようやくまとめましたので、
めっちゃ久しぶりに同人誌一人感想祭りを開催しまーす\(^∀^)/
昨年の文フリ大阪~春のテキレボあたりで購入した本に関する感想を
3回に分けて上げていきたいと思っています。
まずは文フリ大阪と京都で購入した本から。大阪で購入した本は、昨年秋の
テキレボ開催に合わせて感想を書いたものが多く、今回はランチュウさんの
本一冊のみとなっています。
その他は京都で購入した本です。京都で入手した本は他にもありますので、
二回に分けてアップします。
三回目の更新は、テキレボの委託で購入した本についてまとめるつもりです。

なかなか買った本すべてには感想を書けず…申し訳ないです…><
書いたものに関しても、ごくごく個人的な感想覚書きという感じで、大したことは
全然書けていないし、それぞれの本の良さをうまく伝えることもできず、
もどかしくはあるのですが、どなたかの今後の本選びの一助となればいいなと
思っています。

あっ、ブログカテゴリに「同人誌感想」を追加してみましたが、まだ全然編集
できていません(汗)
過去の感想記事につきましても、おいおいこのカテゴリに放り込んでいこうと思っています。


というわけで、最初の5冊のご紹介です~!

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ランチュウ会さま 『ランチュウ作品集3』

児童文学サークルさまの作品集。
大人も楽しめますが、基本、小学生向けの作品が中心になっています。
懐かしく、優しい雰囲気の作品がたくさん収録されています。
2も持っているのですが、3は読み聞かせを意識したものと読書向けとに
分かれていて、それぞれに創意工夫をされている作品が多く面白かったです。
タマネギとネギが隣同士で植わっていて、ネギを抜いてきてと頼まれたけど
見た目どちらか分からない、さてどっちを抜く?と悩む男の子のお話が
面白かったです。何てことない日常のワンシーンなんですが、こういうことを
生き生きと描くのって楽しいですね。 あと、小さな弟と会話しつつチャーハンを
作りながら、一方で友人の男子と気になっている女子との関係について思いを
めぐらせる男の子のお話とか。何かをやりながら全然別のことを考え込む、
こういう思考の流れみたいなものの描き方がリアルで好きでした。
いつもイベントでお話してくださる、いがわなおこさんのエッセイも面白かったです。
親戚の家で偶然ちょっとしたお金を見つけて…という思い出についてのお話だった
のですが、確かに、普段ない強い怒られ方をした経験って、その衝撃とともに
ずっと記憶に残りますよね。誰しも、幼い頃の懐かしい景色と一緒に、そういう
思い出を心にしまっているものかもしれません。



凪野基さま『インフィニティ 第一章 冬の空 闇の夜』

長編ファンタジーの一巻。かなり長いお話になりそうですね…! この作品には剣や
精霊の持つ特殊な力などもいっぱい出てきますが、街や生活の様子も丁寧に書かれて
いて、そういう異世界の暮らしを登場人物と一緒に味わえるところが楽しいです。
あと、キャラが深手を負うことが多いので、大変痛そうであります。
(アイタタタ早く治して…!!!と思わずにはいられない…笑) 全体的に抑制された
展開というか、人と人との関係も、ラブな甘さはなくて、これからゆっくりゆっくりと
人間関係が構築されていきそうな雰囲気です。ゼロという記憶を失った男性と、半妖精の
男装の主人公・シャイネとの関係も、今後どうなっていくのか、序章で出てきたキムたちが
今後どう絡んでくるのかも気になります(再び登場すると信じてる…ッ!)。まだまだ未知の
部分が多くはありますが、作品世界の作りこみが深い、長編ならではの楽しみが詰まった
物語だと思います。長編FT好きさんに一押しです~!!!!



雪輪さま『見えない明日は昨日のつづき』

二つの短編が収められている短編集。ひとつはお母さんと息子、もうひとつは
中学生たちの人間模様。どちらも優しく丁寧に紡がれていて、心がじんわりと
暖かくなりました。お母さんと息子ちゃんのお話はいろいろ身につまされました…
そうですお母さんとは心配しすぎる生き物なのです。中学生のお話は、ウワー
分かる!こういうのあったなぁって懐かしくなりました。特に、女の子同士の友情は、
なかなかややこしく大変なものです。
雪輪さんとは文フリ京都でブースがお隣でして、私は雪輪さんの優しさに包まれて
心地よい一日を過ごせたのですが、この短編集にも雪輪さんの優しい雰囲気が
いっぱいに溢れていました。児童書がお好きな方におすすめです。
心癒される、素敵な作品集でした!!


波水蒼さま『鉱石展示室』

京都にある琥珀糖専門店を舞台にした連作短編集。とても雰囲気のある作品集なので、
ハマる人はハマると思います。文体的には少し昔、昭和レトロなイメージで読んだ
のですが、実際の時代設定は多分、現代のような気がします(違ってたらスミマセン)。
「琥珀糖」っていう字面からもう惹かれちゃいますが、鉱石をモチーフにした琥珀糖という
ことで、作品全体がとても澄んだ印象というか、細部にわたって作者様の美意識で彩られて
いて、心地よかったです。出てくる人たちの会話がたおやかで優しくて、それぞれの作品が
ちょっとずつ繋がっているところが面白かった。特に、冒頭とラストのつながりが鮮やかで
印象的でした。
鉱石や博物館というワードにぴんと来る方、そしてやはり宮沢賢治作品がお好きな方に
お勧めします!!!



添嶋譲さま『インスタント・リプレイ』

金沢のいろんな場所を舞台に書かれた掌編集。各話の最後に作品の舞台となった
場所が書かれているのですが、「現存せず」と書かれていることも多く、その場所を
知らない私にとっても、「このお話の舞台はもうないんだなぁ…」と切なくなること多々でした。
記憶の中にある大切な場所を、物語のなかで蘇らせるというのは、とても素敵なことですね。
10代だった頃の心象風景をこんな風に覚えていて形にできるのがすごいというか…
繊細すぎやしませんか…!? あの頃は確かに、世界がこんな風に見えていたなぁって、
自分を重ねて思い出させてくれました。 
あっ、登場人物についてですが、男子なのか女子なのか、判断に迷うことが多かったです。
わざとぼかしてあるのかな。だとしたら粋だなーと思います。
青春時代の恋や憧れの感情って性別不問みたいなところがあるので、そういう意味でも
リアルだなと感じましたです。