猫とワタシ

Wandering Note

創作文芸サークル『a piacere』の活動状況など

この記事のみを表示する観た映画の記録

本・漫画・映画

昨日観た『鑑定士と顔のない依頼人』という映画がとても
素晴らしかったので、珍しく観た映画の感想など書いておきます。
なんでもすぐに忘れちゃうので、本人の備忘という意味が一番大きいのですが。。^^;

以下、長文です。
ネタバレしてますので、これから観るご予定のある方は閲覧にご注意ください。



******




絵画の真贋を見極める一流の鑑定士である主人公ヴァージルが、何かと理由をつけて
決して姿を現そうとしない謎の女性依頼人に次第に惹き付けられていき、、と、話は
進んでいくのですが、とにかく色んな要素が入っていて面白いのです。
恋愛映画でありつつも、ミステリーであり、そして、一般にそういうものとカテゴライズされる
映画以上の何かを与えてくれる作品でありました。

主人公の職業上の目利きは超一流だけど、自身の恋の真贋を見極めることができるかどうかは
別問題、ってところもアイロニーなわけですが、このヴァージルというおじ様が謎の依頼人に
恋していく様がなんともはや初々しかったです(笑)
女性慣れした若い修復師のおにーちゃんに恋の相談するとことかほんと可愛くて…!!
現実の女性が苦手で(というより恐怖ですらあり)、だけどその分強い憧れを抱いていて、
自分の目にかなう女性の肖像画をオークションで収集し、それに囲まれて暮らしてきたという設定が
既に好き過ぎるパターンなわけですが、とにかくこの堅物な主人公が変化していくさまが
とても素晴らしかった。
俳優さんとかあんまり分からないですが、この主役を演じた方はほんと見事だなぁと
惹き付けられましたです。

ネタバレ的なことを言ってしまうと、結局のところ彼はいろんな人にだまされていて、
最終的には自分が生涯かけて集めてきたたくさんの肖像画を全部奪い去られてしまうのですが、
何かそれでも、不思議と空しくはないラストで、悲しくも残念にも思わなかったです。
映画の中でも、「贋作の中にも真実はあるか」(←正確には忘れましたが、そういう意味の台詞)が
チラチラ出てくるのですが、ヴァージルは人が作り出した贋物の物語の中を生きて、その中で
自分なりの真実を掴むことができたんじゃないか、という気がします。物語の最初のころの彼よりも
人としてずっと豊かになれたんじゃないか、と思えて仕方なかったのです。
だけど、ラストの辺りのシーンをどう解釈するかは人それぞれかも…。
見ようによっては、すべて失って、偽りだったすべてのものの呪縛からいまだ逃れられずにいる哀れな老人、
という見方もできるかもしれない。というか、もし実際にこの人を傍目から見ることがあれば、
多分誰の目にもそう映るだろうと思う^^;
だけど映画を観た人がそういう風な受け取り方しかしなかったなら、この映画はここまでヒットしなかったで
しょうから、やはりそれ以上のことを感じるところは皆さんあったんじゃないかな。
ストーリー自体がとても面白い上に、そういう複雑な気持ちを呼び起こす結末を用意するってところも
すごいなぁと思いました。

あと、いろんな小物の使い方がとても効果的でした。
手袋コレクションや、あの壮観な肖像画の部屋や、依頼人である女性(クレア)の母親(という設定)の
肖像画もそうだけど、物語の最初から出てくる歯車の部品も、とてもツボでした。
たまたま、映画と関係なく、数日前から手芸の資材として歯車のパーツが欲しいな~とか思ってたので
タイムリーだったのもあるのですが(笑)この歯車にはすごくときめきましたw
物語が進むにつれ、クレアの屋敷で拾った歯車のパーツが増えていき、18cに作られたという機械人形が
徐々に復元されてくるのですが、これが象徴としてちょこちょこ色んな効果を発揮してて面白かったです。
特にラストでヴァージルが訪れたお店との相乗効果がよかった。
なんか歯車のディスプレイの中に座って彼女を待っているヴァージルが、作中の台詞で出てくる
「機械人形の下で喋る小人」みたいに見えて…(>_<)
哀れでもあるし、あれほどまでに哀れになれる純粋な心を持つ彼がとてもいとおしく思えるような。
最後のシーンのあのお店のディスプレイは、そういう印象を余計に強くしてくれたような気がします。

ほかにも印象的なシーンがいっぱいあったのですが、何せ一度しか観れてないもので、
最後まで観たあとに、もう一度最初から観なおしたら、もっといろんなことがよく分かるのかも
しれないと思います。
公式HPにも、2度目以降のリピーターの人は1,000円キャンペーンとかやってるみたいなので(笑)
結構リピートして観る人は多いのかもしれません。
いずれにしても、好き過ぎる映画で、多分自分がこれまでに見た映画の中のベスト10に入る勢いです♪
ディテールに凝ったとても繊細な作品だと思うので、またいつかじっくり観てみたいと思います^^

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